四時歩武和讃(しじほぶわさん)

〜立ち直りから精神復興へ。一警備員の手記と詩篇~

≪見越入道 ⑬≫

オラトリオ見越入道
刻露清秀

〈4〉(続き)

焼成由来の部材を組んで
打ち建てられた城下の家並み、
炊き上がりの釜を覗き込めば
吹きこぼれる花言葉たち。
日に焼けた町と美白の里は、
なりを違え、則をたがえつ
琵琶を連ねて存らえてきた、
霓裳羽衣 と 菩薩蛮 とで。


まことしやかな空撮の背後に
はかり知れない下世話が眠り、
愚にもつかない遺制の陰で
倶に焚かれて炎色を放つ。
それぞれの時代の勲と流謫と、
浮かべてはほどけ去る酒中花に似て、
ただ水を切って飛ぶ二片のみが
沈みゆく市街を端から端まで渡ってゆける。


読み : 菩薩蛮(ぼさつばん)、二片(ふたひら)

(続きは次回)


2週続けての休日出勤となりました。
今日も出るので、今度の土曜まで20日間ぶっ通しで仕事です。

東京では概ね寒さが底を打ったこと、時に暇な時間帯もあったりすることから、適度に体を休めつつ、メリハリをつけて何とかしのいでいる次第です。


とは言え、急ピッチの工事で予定外の搬入車輌が忽然と出現したり、置き場に困るほど大量に出る産廃ガラ・金属くずの搬出作業が加わったり、さらに生コン打設、レンタル資材返却などを同時並行で押し進めるような日には、前から後ろから斜めから逆向きから、関係車輌の出し入れに狂奔しまくりです。しかも、搬入搬出のたびに、台車を押したり重量物をかついだりと何十回も歩道を横切る屈強な作業員たちに合図して、飛ばしてくる自転車や歩きスマホの通行人らと接触しないよう万全を期さねばなりません。23区のど真ん中にあって、これはとりわけ神経を使う作業なのです。


そのため、私も一時は風邪で体調を崩し、途中駅のホームで気を失ってうずくまってしまったほどです。
今はもう持ち直していますが。


警備の仕事も、現場によっては、また警備会社によっては、比べ物にならないほど楽で余裕綽々なケースのほうが多いようです。ただ、私としてはこのさい『臨機応変』というテーマを自分に課しているつもりでやっています。状況判断の柔軟性、どっちに転んでも対処できる機転、同時に複数のことを動きながら考えていける俊敏さ、などをいや応なく身につけてしまいたいからです。