四時歩武和讃(しじほぶわさん)

〜立ち直りから精神復興へ。一警備員の手記と詩篇~

≪ものには限度があるから≫

全国的に警備員殺しの夏となってしまいました。


台風接近時の荒天も清涼剤とはならず(その日はズブ濡れで店舗オープンセールの警備と搬入出車両対応)、その後3日連続で炎天下の道路舗装工事。いずれも4人体制の隊長で、特に初日は二本の幹線道路を斜めに結ぶ抜け道の50m全面舗装。臨時のバス停を設けての片側交互通行で、両幹線道路から信号で曲がりかけてくる車列を止めて片側ずつ流すも、交通量が多く、脇道と病院の出入りもあり、工事車両の出し入れに加えトランシーバーで絶えず交信もするため飲み物を口にするチャンスもろくになし。また1人は全くできない隊員だとわかっていたので除外し、両サイドと真ん中の3人で(休憩は挟みつつも)夕方まで延々と誘導していたため、みな激烈に疲弊しました。私に至っては、昼前に立ちくらみをもよおし、ヒヤロンも使ってしまい、とっさにヘルメットをはずして麦茶とレモン水を頭からじゃぶじゃぶぶっかけるなど、正気の沙汰じゃない熱中症のまま病院前での片側交互通行(通称 片交)を続けるしかありませんでした。


交通誘導警備の暗黒面を覗き見たようなしんどい勤務でしたが、心底命の危険を感じ、また連日舗装作業員たちの放心状態の疲労ぶりも目のあたりにしたことで、かえってきっぱりと会社に「数日休ませてほしい」と言うことができました。もともと8月は建築現場のお盆休みなどで勤務日数は減るのですが、この夏に関しては正直、仕事よりも体調。年内にもう一度海外旅行を目論んでいた収入面の予備費の上乗せは諦めて、まずは頭を冴え冴えと冷やし、自分を取り戻す必要がありそうです。