・前面道路通行止めの夜間工事で、鉄骨建方の最後の工区を組み立てる。
・その期間、日勤で常駐の私がスライドして夜勤に回る。
…そういう予定となっていましたが、直前になって結局元の日勤に戻されてしまいました。
理由は、相方の警備員の素行が悪くて、彼には日勤を任せられない、という現場所長からの通達にありました。
あまり触れたくなかったのですが、他の警備会社から最近移ってきたばかりの相方さんは、元運転手で様々な作業現場にも出入りしてきたため、車両特性に通じ、職人たちと馴染んでざっくばらんに話せるのはいい反面、何か気に入らない状況や指摘があると監督だろうが同僚警備員だろうがタクシー運転手や列車内の乗客だろうが差し出がましく喧嘩口調で噛みついていく悪弊があり、言葉遣いも汚く人間的には相当ガラが悪いのです。
私も当初から手を焼いていましたが、何せ現場状況に幾重も制約がかかるなか、私が大型車両(時にはトレーラー)を周辺道路から万難排して現場まで誘導してきたその先で、相方が目利きのごとく車両をしっかりとゲート脇へ寄せてくれるその手腕には、信頼すべきものがありました。人通りの爆発的な多さの中で、私と彼がそれぞれ最も得意とする役割を認識し連携することで、かろうじて昼間の鉄骨建方を無事故で成立させ得たのです。はっきり言って、他の同僚隊員には彼に迫る技量や好判断など望むべくもありませんでした。
ただ、現場に来た隊員からはことごとく嫌われ、3人体制の間、相方と3人目を一緒に立たせておくことすらほぼ無理なほどでした。幸い、西のメインゲート以外に南のゲートで搬出入もあるため、2人をそのつど振り分けておいて無駄な軋轢を防いでいた次第です。
現在、夜間工事担当のメンバーとも引き続き連絡をとっています。夜勤者は昼の猛暑を免れるうえに給与の割増がつくし、かたや私も、日中クレーンや15tトラックの厳しい誘導から解放され、路上で2度ぶっ倒れたほどの激務から、立哨時間の長い持久戦へと移行できて大助かりの感があります。
そうは言っても、建物の骨組ができたとなれば、今度は現場入りする業者もにわかに増えてきます。常駐する職長として私は、新規の各職方がどこでどんな作業をしに来たのか、現場案内を兼ねてトータルに把握しておきたいところです。搬入予定に無くても、各業者が独自に使う材料を配達便で呼ぶことも多いし、また近隣の2つの新築現場と間違えて資材を降ろしにくるトラックもよくいるため、それらを振り分け指図するのは私にしかできない役割だからです。


