四時歩武和讃(しじほぶわさん)

〜立ち直りから精神復興へ。一警備員の手記と詩篇~

≪近況とブログリニューアルに向けて≫

昨年秋以来、ブログ更新できなかった要因。 それは3つあります。 ひとつは仕事の疲労。交通誘導警備で国道沿いの狭小地のビル新築現場を職長として仕切っており、週6、遠距離通勤ではやっぱり疲れが取れないからです。 2つ目はネット記事やSNS上のやりとりの…

≪鉄骨建って日は落ちて≫

毎朝9時に現場前へラフタークレーンをつけること約3ヶ月。 連日国道1号上へ規制帯設置のかいあって、狭小地に8階建てのスリムなビルの骨格が無事立ち上がりました。両隣の専門学校より頭一つ高くなり、今は屋上(R階)までデッキ敷きと配筋も終わり、順次スラ…

≪2009年、16年、23年のリターンマッチ≫

猛暑未だ収まらず、国道1号に面した横浜の極狭新築現場の交通誘導警備は、資機材の準備で朝から早くも汗だくです。 これまで2ヶ月にわたって、地下躯体工事に伴う山留材や仮設材・鉄筋・型枠の揚重のために前面道路に張り出していたのは20tラフタークレーン…

≪炎天下、国道規制の矢面で≫

ブログ更新が間遠になり、日々の業務に忙殺されてモチベーションさえ遠のいていく…。 交通誘導警備の7年半、前半生の失敗と社会的ブランクの長きを克服・挽回すべく、倍々速で生き改める覚悟で経験を積んできました。 6月からは横浜の新築現場を担当し、国道…

≪コロナ明け・試行錯誤の日々≫

交通誘導警備の隊長として、2つの大規模新築工事に全力投入した3年間。 それはコロナ禍の直前2019年12月に(初めは一隊員として加わった)埼玉のイオンタウンふじみ野で始まり、今年2月初めに川崎の聖マリアンナ医大病院で次期工事を受け持つ他社への引き継ぎ…

≪知的隔絶30年。無名のままに私が生き遺したいこと≫

警備の繁忙期が終わり、例年になくしんどかった花粉症もとうにピークを過ぎました。 満開の桜はあっという間に散り敷かれ、各現場への道すがら、私の前には乙女椿やレンギョウ、ドウダンツツジ、紫木蓮、コブシ、花水木、アカバナトキワマンサク、真っ赤な若…

≪春に先立つ転機について②≫

さて、大きな現場を離れたあとも、2〜3月は警備の繁忙期です。 年度末の道路工事や下水管清掃の現場で全く手が足りず、日勤限定だった自分もついに5回夜勤に駆り出されました。夜勤に出られる人はもともと少なくて顔ぶれも大体決まっています。が、自分が加…

≪春に先立つ転機について①≫

去る2月6日、22ヶ月あまりに及んだ聖マリアンナ医大病院の工事現場での務めが完全に終わりました。 職長として自己最長かつ圧倒的な密度で構築感のある貴重な経験をさせてもらいました。 新入院棟が12階まで建ち上がっていくプロセスと並行して、工事車両の…

≪警備7年、社会復帰の現在地≫

(前回の内容からいったん離れます。) 年末年始は12/29〜1/3まで仕事でした。 都内神社の初詣臨時駐車場警備(夜勤含む)が3勤、現場事務所の巡回保安警備が3勤です。 聖マリアンナ医大病院の新入院棟が完成した後も、ひと月空いてまた外構工事で現場に出てい…

≪1200年前、同じ時代の高みを訪ねて②≫

3年前に訪れた、新羅の仏教遺跡群を思い出しながら、去る11月中旬、私は初めての京都で比叡山延暦寺へと赴きました。 ケーブルの駅を降り、年配ツアー御一行様や若干の外国人とともに東塔エリアへ入ったのですが、中心となる根本中堂は、なんと全面改修中。…

≪1200年前、同じ時代の高みを訪ねて①≫

聖マリアンナ医大病院の新入院棟新築工事を無事終えたあと、私は交通誘導警備の仕事を結局4週間近くも休んでしまいました。(身の回りの整理や歯の抜本的治療のため。) 初めは、3年ぶりの海外一人旅をもくろんでいたのですが、ワクチン未接種のため、日本…

≪職長の責務を果たし終えて≫

交通誘導警備員として自己最長の19ヶ月半通い詰めた建築現場が、先だってようやく終わりを迎えました。 2021年3月下旬、まだ現場に送り込まれて10日ほどで、前任者に代わって急遽職長に指名され、以来、総員最大20名を率いて、医大病院の新しい本館となる建…

≪この夏、きっぱり決意したこと≫

しばらくぶりの更新です。 医大病院の新本館工事はいよいよ大詰めに入りました。 建物内は床材も敷かれて全員上履きで移動します。 また、トラックの搬入経路も徐々に狭められ、大型車は通行不可。一方、各階内装工事で大量に使用した立馬・天台・台車や残材…

≪七百人の交響曲≫

医大病院新本館工事、あいも変わらず出ずっぱりです。 ブログを綴る余力も残らぬほどに。 日曜以外、結局5/3·4·5しか休めずじまい。現場にはいつも始発バスで向かい、着いたら6:30にはゲートを開ける、その繰り返しでした。 建物自体はもう出来上がりました…

≪生誕10年、オラトリオ再掲⑤≫

オラトリオ ハノイの塔 刻露清秀 Ⅴ部 16時つ国を望みつつ 日択りの海をゆたにたゆたい 販路を拓き、水運を増す かの波乗り船、弥栄なれと。 異国にあっても十組問屋は あらゆる時代の箱書きが 渡海造りと組積造下で 列を成し、色をなして詰め寄る所。 霧は野…

≪生誕10年、オラトリオ再掲④≫

オラトリオ ハノイの塔 刻露清秀 Ⅳ部 12雲表に浮かぶ暦法 懸隔を測る桟橋 光沢はしじまに運河を曳いて 聖俗の衣は交わり、黒白の頭は流れる。 営巣地には春秋の喜び 原産地からは黄熟の便り 久しく住所を逐われた土地にも 行政を回復するとの報せ。 花々はす…

≪生誕10年、オラトリオ再掲③≫

オラトリオ ハノイの塔 刻露清秀(2022年版) Ⅲ部 8時に義人は知る由もなく 天上に諮られ、賭けられてきた、 友も助言者も誘惑者も アイスフォールに隔てられ、 離反と懲らしめ 涵養域にもいつか擦痕が顕われるように。 人は喘登を自負する限り 激しく飢え渇…

≪生誕10年、オラトリオ再掲②≫

オラトリオ ハノイの塔 刻露清秀(2022年版) Ⅱ 部 4時明かりの中へまろび出る者が 生前陽の目を見ることは稀だ。 視息の窓には塵降り積もり 亡き世に良き名、望むべくもない。 耳を聾するほどの似非オラトリオ、 知り得た者は深山隠れに。 熱に浮かされた向…

≪生誕10年、オラトリオ再掲①≫

医大病院新築現場にもようやく春到来です。 新本館はもう12階まで建ち上がりました。青いネットに覆われてはいますが、外観上未完なのは最上部、屋上の塔屋と救急搬送用ヘリポートくらいです。先週からは、タワークレーンの解体搬出作業まで始まり、先導車付…

≪遅れてきた働き盛り≫

去る年末年始、現場の保安(巡回)警備をベテラン隊員に任せ、私の2022年は2日の山梨釈迦ヶ岳登山で幕を開けました。 6日(木)からは川崎の医大病院新本館工事が再開。 以来、また日曜以外は全日早朝出勤で今に至ります。底冷えの続く夜半から夕暮れまで、構内…

≪タワーリングボレロ、鋭意建設中。≫

ブログ更新の長いブランク、失礼しました。 何より仕事が充実している証です。 過去には無職の長いブランクがありました。 思えば怯懦と文弱の極みでした…。 その昔、大学のキャンパスは下り坂にあり、 過去に囚われた“死に学問” だらけでした。 逃れるよう…

≪雨登山、霧風情≫

岩手山へ登ったのは8/12でした。正確には、11日の終電でいわて銀河鉄道の滝沢駅まで行き、コンビニで食料と水を調達して、そのまま徒歩で登山口に向かって歩き出したのでした。 夜通し歩くこの登山スタイルは、日程や宿泊費を浮かす目的で、過去にも何度か試…

≪雨は降れども気晴らしに…≫

長らく更新が滞りましたが、仕事は順調です。 弛みない工事状況の進展。職長としての早出・残業を伴うハードな責務。そして日曜以外は祝祭日も全部稼働する容赦ないスケジュール。 通勤時間も含めて生活の全てが、当現場を中心に回っている感じです。 加えて…

≪築き上げていくものと、悠揚迫らざるもの≫

医大病院建て替え工事のプロジェクトにて、私が交通誘導警備の新たな職長となってから、かれこれ3ヶ月余りが経ちました。 このひと月間は新病院棟の躯体工事に集中し、連日の鉄骨建方とデッキ敷きや生コン打設等で4階部分まで骨組みが建ちました。5月連休前…

≪100記事目、3年半の到達点≫

本日、はてなブログ開始からちょうど3年半を迎えました。 長期の無業失業ブランクの後で、警備員として社会復帰したのは、その前年2016年の1月。 まだその頃はネットでの発信ができるような精神状態ではありませんでした。1日でも長く仕事を続けて日銭を稼ぎ…

≪人員20名。職長の重圧と充溢(後半)≫

(続き) さて、隊員20人のうちあとの14~15人は、病院各館を結ぶ構内道路の掘削工事に伴う大増員でした。 医大〜病院各館、さらに保育園…と、順次高台へ上っていく立地になっています。 外来や送迎で訪れる一般人の車は、坂を上がって初めて『工事中』の事態…

≪人員20名。職長の重圧と充溢(前半)≫

暖かな日射しに包まれる日が増えました。 医大病院敷地内の至る所で、また新たな花が人知れず咲き誇ります。 先日は、病院前のバスロータリー近くで朝一のラフタークレーンとPC運搬トレーラーを誘導するため1人で待っていたところ、すぐそばでカルミアの花の…

≪18人を率いる職長となって≫

川崎の大学病院新病棟建設現場。 体調不良を訴えていた警備の隊長は、静養を兼ねてそのまま入院となりました。そのため、数日間の引き継ぎを経て、以来私が正式に職長です。 人員は各所で計18~19人。翌日手配する隊員数は、打ち合わせ後に私が1人で決めて会…

≪『以下16名』を担う気苦労!≫

SNSの更新と交通誘導の交信には1つよく似た点があります。それは、発信したそばから状況が一変し、あわてて追加連絡や趣旨の変更を余儀なくされることが多い点です。 社会的ブランクの長かった私は、現在までこのブログしか扱っていません。時評家や目立ち…

≪警備員の篩も厳しいゾ…≫

繁忙期のためブログに手が回りませんでした。 昨年とは違って常駐現場をもたない今は、埼玉や神奈川で、数日ごとに別の業者に付いて、主に土木工事の現場で交通誘導をしています。 土木とはつまりインフラ整備のことで、電気・上下水道・ガス・道路舗装など…