四時歩武和讃(しじほぶわさん)

〜立ち直りから精神復興へ。一警備員の手記と詩篇~

≪春に先立つ転機について②≫

さて、大きな現場を離れたあとも、2〜3月は警備の繁忙期です。

 

年度末の道路工事や下水管清掃の現場で全く手が足りず、日勤限定だった自分もついに5回夜勤に駆り出されました。夜勤に出られる人はもともと少なくて顔ぶれも大体決まっています。が、自分が加わると立場上隊長となり、初見で指示を出してリードしていかねばならず、深夜の冷え込みと相まって結構神経を使いました。特に、駅前歓楽街へバキューム車両等を入れ、マンホールや側溝の蓋を次々開けていく清掃作業。私に言われてただそこに立ってるだけで、酔客が真横を通っても、開口箇所が次に移っても気づきもしない、そんなレベルの隊員がいると、何度注意しても変わり映えしないし超危険だし、会社に報告しても人手不足を理由に交代もされず、こちとら冬空を仰いではオフホワイトな溜め息が洩れるばかりでした。

 

実際、警備の仕事を人が辞める理由の一つに、前線で体を張って厳しい片交に専念しようが、暇な場所で黙ってぼーっとやり過ごそうが日給は同じ、という理不尽な現場が続くうちに、もうこれ以上やってられるか!  とキレてしまう例は多いです。

 

私もこの3年間、2つの大規模現場で単なる無能を超えて迷惑・胡乱・非常識な隊員を度々寄越されては頭を抱え、監督の前で大恥かかされました。でもコロナ禍で職を失う怖さに比べたら全く取るに足りません。社会復帰後、一度も途切れず警備一社で働き続けている、その継続性がもたらした社会的信用の向上は、まことにかけがえのないものだったからです。

 

いずれにせよ、ひと区切りついたいま、警備以外のテーマ、とりわけこのブログの主眼であった、精神的探究についてや、同時代の言論状況についての私の意見なども再びしたためていきたいと思います。

 

その一方で、なんと明日20日から、早くも次の新築現場の職長として、来年までかかる都心のビル建設工事に常駐するよう本社ならびにゼネコンのグループ会社より指令が下りました。

 

このため、予定していた内容を変更し、春の到来までまずは新現場に傾注したいと思います。