四時歩武和讃(しじほぶわさん)

〜立ち直りから精神復興へ。一警備員の手記と詩篇~

≪コロナ明け・試行錯誤の日々≫

交通誘導警備の隊長として、2つの大規模新築工事に全力投入した3年間。

 

それはコロナ禍の直前2019年12月に(初めは一隊員として加わった)埼玉のイオンタウンふじみ野で始まり、今年2月初めに川崎の聖マリアンナ医大病院で次期工事を受け持つ他社への引き継ぎを終えるまでの3年余りでした。

 

その後私は、都心ど真ん中のビル新築工事現場に常駐する予定でしたが、江戸時代の埋蔵文化財発掘調査に伴い4ヶ月間中断となり、結局GW明けに警備の話は白紙となってしまいました。

 

以後、他現場への応援や検定道路、隊長代行等を経て、やっとこのほど横浜市内の専門学校新築工事に来春まで常駐することが決まりました。ちょうど解体工事が完了して新築工事に切り替わるタイミングで、前任者から引き継ぐ形です。

   ★

実は、GW期間の前後、個人的に物凄く気が沈んでいました。コロナ禍明けの指針がはっきり示され、自身も、2019年11月末以来となる海外旅行を企図していたのですが、聖マリの大きな任務をやり遂げたあとにぽっかりと空いた孤立感・寂寥感を振り払うことがどうしてもできなかったのです。ベトナム行きの手配を全部自力で整え、GW明けに出発予定でしたが、宿泊予定のホテルが軒並み英語の陰性証明書提示を求めると知って、直前でキャンセル。

 

LCC利用のため返金もなく、一気に何万も失ってしまいました。が、それにも増して、警備で社会復帰7年4ヶ月も経ってなお、学生時代からの友人1人を除いて、仕事以外でなんら実のある交友・知的な接点を持ちえない孤立した現状に、我ながら暗澹たる無力感が募るばかりでした。

   ☆

それでも気晴らしに、日帰りではありますが新緑の山へ2度登りに行きました。関東甲信の山は大方登り尽くしたため、頂上で360度展望に恵まれてもめざましいほどの感動はしませんが、山中で異形の光景が目にとまれば、写真に残したりはします。

これは5/4 長野県川上村の男山(1851m)山中で一斉に涌き出したオニゼンマイの群落です。