2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧
オラトリオ見越入道 刻露清秀 〈2〉(続き)全山 冬毛に覆われ 日々は苗木のようにうずもれ 寝糸の滝には寒声混じりに 見上げればピッチグレードはいよいよ高く、 跡目なしに辿る手鍵盤足鍵盤 先遣の明を照らす後見のもやい 流星痕は つららとざらめを落とし…
オラトリオ見越入道 刻露清秀 〈2〉(続き)涼を求めて洗い場に立ち 汗ばむ岩の背中を流す 白法白衣の源泉の宿、 懸針垂露の旗奉行。 五段飾りのいちばん下座で つかまり立ちを覚えた日には、 遡上の跡を氷に鏤み 滝口めがけてピックを振るう。 硯の上で磁石…
オラトリオ見越入道 刻露清秀 〈2〉(続き)陽だまりに見初められ 濃淡に揺れるまなざし。 今に至る遠流 喜びは切れ落ちたまま 夕梵は悲源に迫り、 生来の含羞は晩課にも似て かがり火さえも闇夜にこわ張ることはなかった。 受益者は耳をそばだてもせず 忘恩…
更新が遅れて、結局日曜になってしまいました。 内装工事が進むにつれ、新規業者も日ごとに加わり、今週で総勢70名。搬入出車輌も頻繁に重なり、休憩時間はおろか、へ駆け込むワンチャンスですら、うっかりすると空いた場所にトラックが入りこんで歩道で荷下…
オラトリオ見越入道 刻露清秀 〈1〉(続き)そこでは部隊もテラスに沿ってピトンを連弾、 崖面を研磨し、天窓から垂れ下がり、 おのが支えで友の落下を食い止める。 天井画も智眼も抜けた崩落現場に 確保者として、仲保者として、 修復とは破壊と向き合う化城…