四時歩武和讃(しじほぶわさん)

〜立ち直りから精神復興へ。一警備員の手記と詩篇~

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

≪見越入道 ⑦≫

オラトリオ見越入道 刻露清秀 〈2〉(続き)全山 冬毛に覆われ 日々は苗木のようにうずもれ 寝糸の滝には寒声混じりに 見上げればピッチグレードはいよいよ高く、 跡目なしに辿る手鍵盤足鍵盤 先遣の明を照らす後見のもやい 流星痕は つららとざらめを落とし…

≪見越入道 ⑥≫

オラトリオ見越入道 刻露清秀 〈2〉(続き)涼を求めて洗い場に立ち 汗ばむ岩の背中を流す 白法白衣の源泉の宿、 懸針垂露の旗奉行。 五段飾りのいちばん下座で つかまり立ちを覚えた日には、 遡上の跡を氷に鏤み 滝口めがけてピックを振るう。 硯の上で磁石…

≪見越入道 ⑤≫

オラトリオ見越入道 刻露清秀 〈2〉(続き)陽だまりに見初められ 濃淡に揺れるまなざし。 今に至る遠流 喜びは切れ落ちたまま 夕梵は悲源に迫り、 生来の含羞は晩課にも似て かがり火さえも闇夜にこわ張ることはなかった。 受益者は耳をそばだてもせず 忘恩…

≪見越入道 ④≫

更新が遅れて、結局日曜になってしまいました。 内装工事が進むにつれ、新規業者も日ごとに加わり、今週で総勢70名。搬入出車輌も頻繁に重なり、休憩時間はおろか、へ駆け込むワンチャンスですら、うっかりすると空いた場所にトラックが入りこんで歩道で荷下…

≪見越入道 ③≫

オラトリオ見越入道 刻露清秀 〈1〉(続き)そこでは部隊もテラスに沿ってピトンを連弾、 崖面を研磨し、天窓から垂れ下がり、 おのが支えで友の落下を食い止める。 天井画も智眼も抜けた崩落現場に 確保者として、仲保者として、 修復とは破壊と向き合う化城…