四時歩武和讃(しじほぶわさん)

〜立ち直りから精神復興へ。一警備員の手記と詩篇~

≪見越入道 ③≫

オラトリオ見越入道
刻露清秀

〈1〉(続き)

そこでは部隊もテラスに沿ってピトンを連弾、
崖面を研磨し、天窓から垂れ下がり、
おのが支えで友の落下を食い止める。
天井画も智眼も抜けた崩落現場に
確保者として、仲保者として、
修復とは破壊と向き合う化城喩だから。


憎しみや思い上がりや
放埒や沙場の網から解放されて
個はここかしこで応答を願い
地には車列が行き渡るように、
アリスモイ、カタルモイ、
あまたの民、かくも清めて。


次回から〈2〉です。


なお、精神的探究の粋を集めた詩作と、工事現場での交通誘導警備の仕事と、引きこもり・無業失業者としての長いブランクの克服と、今の私には3方向の、それぞれ全く交わることのない読み手を想定しながら、関心をつなぎ止めていく難しさがあります。しかも仕事は日曜以外出ずっぱりです。しかし逆にいえばそこにこそ当ブログの独自性がありうるのかもしれません。つまり、時事的な論争にくみしたり話題の何かを毀誉褒貶したりで盛り上がるのは無し。まず建設的な詩作の提示、次にもしかしたら今後社会復帰を目指す方にも励みとなるような現在進行形の仕事ぶりを率直に綴る…。


閉じこもる煩悶も、恥じ入る歳月も、金輪際もうたくさんだからです。親などの身内と啀み合うくらいなら、さっさと切れて公的制度を利用したほうがいい。就労支援員を通じて知らないことに気づかされ、言葉を取り戻し、いろんな職種の人とも出会えます。覚悟は必要ですがやり直しはきくのです。


いずれにせよ、週に一度は更新できるよう努めます。私の人となりも徐々に見えてくると思います。