四時歩武和讃(しじほぶわさん)

〜立ち直りから精神復興へ。一警備員の手記と詩篇~

≪生活再建…私の場合≫

お盆休み中、不安定な天気が続くとの予報で、縦走級の登山は取りやめました。雲に覆われた尾根歩きは、これまでの経験から、どこも似たような光景になってしまい、写真としてもつまらないし爽快感がないからです。ましてこの時期は山小屋も混み合い、1人テント泊だと暑さでとにかく荷が重い…。


結局、アパートに届いた1通のハガキを機に、今住んでいる部屋の掃除と手入れを優先させました。


ハガキは要するに、部屋の契約更新の意思を問うものでした。2年契約で、警備の仕事に入って10ヶ月めから借りはじめたリーズナブルな住まいです。


駅からやや遠いとはいえ、共益費と光熱費を加えても月額4万円台。都区内にあるわが警備会社の寮では月8万円ほども給与から天引きされるうえ、シャワーもトイレも共用とのこと。自分で部屋を探して本当に良かったと思います。


もちろん、安いにはそれなりの理由があり、地元の土建業者の寮として利用されているため外国人作業員の出入りが多くマナー違反等は確かにあります。でも地域一帯外国人が多い街でもあり、また普段現場で同様の作業員と接し慣れていることもあり、気にしていません。私の部屋自体、前の居住者は中国系女性名義で、夜逃げした人です。ロフト付きで、木製簡易ベッドと卓袱台が殆ど新品のまま残されていたため、私はいまもそれを普通に使っています。


住み始めからそんな調子で節約志向だったため、少しずつですが貯金も積み上がり、現在まで生活の質は安定しています。警備員によくいるギャンブル好きや呑兵衛・ゲーム狂など浪費癖や依存症の類いとはもとより一切無縁です。なので今の部屋の契約更新は確実な状況ですが、ちょうど休み中ということで(11日だけ駐車場警備で出勤)、水回りなど全体に小ぎれいにしておこうと思った次第です。


社会復帰の過程で生活習慣を乱さないことはとても大事だと実感しています。同業者の中には、稼げるからと夜勤・連勤を続けたり、東北の震災復興関連の仕事へ一定期間出向する人もいます(私にも声がかかりました)が、不規則な生活や不摂生がたたって体を壊したり太り過ぎたりする例が後を絶ちません。それだと結局自腹で病院へ通うはめになってしまいます。


これ見よがしな破天荒気取りや凄絶人生アピールをする必要が全くないので言いますが、健康体を維持して日々の職務に当たれる人はみな、自制心をもった立派な生活者だと思います。友人もその一人ですが、私もこうした人たちの範に倣って遅ればせながら生活基盤を固めていくつもりです。