四時歩武和讃(しじほぶわさん)

〜立ち直りから精神復興へ。一警備員の手記と詩篇~

≪見越入道 ①≫

3日ごとの更新なら何とかなるだろう。そう思って始めましたが、風邪の治りかけと疲れには勝てませんでした。


疲れの原因のひとつは、警備のベテラン隊員との意思疎通です。


大きなトラックでの搬入搬出や、クレーンでの荷揚げ作業がある日は、警備員を増員します。半年前資格者になった私は、経験豊富で気位の高い年配隊員たちにも現場できびきびと指示を出さねばなりません。それ自体はいたって当然なのですが、私は前に述べたように社会的ブランクが長く、口下手で臆しやすい性格を克服するのに今も大変な労力を要するのです。


ブログの副題を『社会復帰と精神復興を目指す旅』
と銘打ったのは、一方にそうした職務上の奮闘があり、他方にはそれと同時並行で、自分がかねてから探究してきた精神史的な詩作を通して、完全なゼロスタートから一人また一人と理解者を獲得していく志のほどを示したかったからです。


では、次回以降へ続く連作詩の導入部分を公開します。


オラトリオ見越入道
刻露清秀

〈序曲〉

何回ふとんをはいでもいい、
かいこは己の成熟を待つ。
亡羊の嘆にかき暮れてもいい、
真の牧歌は担い手の沙汰。
遠方より落ち合って
煮炊きを共にする赤心は、
いまに寄せ書きでも瀝血でもない
和讃という名の開闢を生む。


次は3日後。