四時歩武和讃(しじほぶわさん)

〜立ち直りから精神復興へ。一警備員の手記と詩篇~

≪リフレッシュと次の課題≫

ビル改修工事現場での10ヶ月間の交通誘導警備が終わりました。


ホテルは無事完成し、家具・調度品・備品の大半も搬入できました。開業こそまだ先ですが、昨日は、施主(『お施主さん』と呼びます)、設計者、ホテル関係者、工事を手がけたゼネコン、と各社のお偉いさんたちが黒塗りハイヤーで続々と乗り付け、完成を祝しつつ視察して回りました。


その数時間前には、現場作業員用の仮設トイレ4基を回収するトラックが来たのですが、くしくも10ヶ月前、そのトイレを運んできた同じ運転手でした。相手も私を覚えており、そんなところでも、ああ…ほんとに工期の最初から最後までやりきったんだなあ、という感慨がわき上がるのでした。



さて、現場明けにともない、かねてから念願の海外旅行も申し込んできました。四半世紀ぶり2回目。自由行動で3泊4日。一人部屋のためかなり高くつきましたが、ツアー特有の女性客向けサービス(グルメや美容、買い物等)に付き合いたくなかったので、フリープランを選びました。まあ旅慣れた人たちの前でぎこちないふるまいも見せたくないですし…。天気が良ければ山登り、そうでなければ名勝めぐりでリフレッシュに徹するつもりです。


そしてそれ以降はというと、矛盾するようですが、そろそろ新しい対人関係を本気で構築したい、という思いが強いのです。


当ブログを地味に開設したことも本来はその一環でした。しかし社会的出直しや警備員という立ち位置と、多年の精神的探究の時代離れした主知性とは、訴える対象が相互にかけ離れすぎています。私の人となりもまた、その落差と寂寥感を呑みこんで、猛禽のみが輪を描く絶壁のように同時代に対して並々ならぬ緊張と場違い感をはらんでいるのは否めません。


以前の投稿で、現代はとにかく騒ぎになった者勝ちの『話題制』の時代だ、と述べました。バカふざけや「みてくれ」の吹聴、キャラクター設定を売りにした享楽本位なストーリーの量産、際限なく膨れ上がっていく「面白い!」「あるある!!」「わかるわかる!!!」「(心に)刺さるぅ!!!!」のユーフォリア…。


その虚しさ 幼稚さ けじめのなさに辟易している人も少なくないのに、そういう声は届かない、各自孤立しすぎて…。畢竟『世間』とは「同じ話題で持ちきりになること」なのでしょう、それが世界規模であっても、インテリどうしであっても…。でも私は居心地のいい慰撫になど与したくありません。だから今後とも、見慣れない語彙や造語も必要に応じて用いながら、自作の詩と社会的復権への足どりを同時に書き遺していきたいと思います。