四時歩武和讃(しじほぶわさん)

〜立ち直りから精神復興へ。一警備員の手記と詩篇~

≪不撓港詩篇≫

《不撓港詩篇

刻露清秀


那辺を訪い、角々に頌を灯し
疑心庵から耆宿舎へと移りえた人は幸いだ。
釣具・工具・防具を併せもつ港のように
かれは自ら時のオーナー、時翁となって
厳の世にも定の弓を取り
慧の矢をつがえて矍鑠としている。


それはあたかも、専売と施錠の船団
梅の実・ヤシの実団旗を排し、
風媒、鳥媒、幾層杯
精神のスペルをコンテナに、
集散花序の竿頭拡げて
合弁碩才、沖合 屋を重ねる事業。


纜は花綵に通じ
合図は横竪に通じ
吊り上げては架橋する
律令譲りの調律、
桁外れの外観は
内需のインテリアを伴い
その商談はいかなる清談にも増して
風航明備な造讃となる。


さればこそ、那辺を訪い、角々に頌を灯し
疑心庵から耆宿舎へと移りえた人は幸いだ。
釣具・工具・防具を併せもつ港に臨んで
かれは自ら時のオーナー、時営者となって
建徳階から塔屋へと昇り
慧の矢をつがえて赫灼としている。


〈了〉


角々 : かどかど / 頌 : じゅ / 耆宿 : きしゅく
厳 : いつ / 定 : じょう / 慧 : え
纜 : ともづな / 花綵 : はなづな / 横竪 : おうじゅ