四時歩武和讃(しじほぶわさん)

〜立ち直りから精神復興へ。一警備員の手記と詩篇~

≪終楽章的光景を前に…≫

無駄にした歳月をとにかく挽回したい。
しかもはつらつとして俊敏でありたい。


コロナ禍で混迷を極めるインテリ界隈を尻目に、
今の仕事(交通誘導警備)のおかげで自分のほうがはるかに健康だし頭も回り気力も充実しています。


もとより何の糧にもならなかった戦後知識人とマスメディアと党派性。その無価値なドグマを最終的に廃棄処分し終えたとき、私は既に40歳の孤立無業者でした。


人文学の深遠な知の系譜に憧れながら、眼前に飛び交う言葉は国内外とも第二次大戦の遺恨をこじらせた憎悪と罵倒と卑下ばかり。不毛。ただただ不毛。


無駄にした歳月をとにかく挽回したい。
しかもはつらつとして俊敏でありたい。


幸い私には、当ブログを特徴づける『四時歩武和讃』の詩篇群があり、既に主要なものは記事内で公開済みです。ただ、2016年に警備員として社会復帰してからは、生活自立、生き直しに重点をおいたため、詩作の手はほとんど止まっています。(希少な例外は『不撓港詩篇』。)


現在、私が隊長を務める現場、大型ショッピングモールの工事は終盤を迎え、この1ヶ月で建物周りの駐車場・遊歩道・公園の舗装が一気に出来上がりました。仮囲いも外され、土木工事は最後の追い込みで、昨日は難関のバスロータリー出口舗装を終え、あと4日で周辺道路の舗装を完了する予定です。私の役目も長くて20日までとなりました。


モールの南側壁面や入口にはデジタルサイネージのモニターが設置され、テナント工事も進んで、夕方になると建物全体が不夜城のようにライトアップします。昨年12月に警備の4人めとして現場に遣わされたときには思いもよらなかった壮大な結末。


でも、これが職業人として本来生くべき姿なのだろうな…。今の私はそう思います。自分の父にしても、元は零細な間仕切り職人だったわけで、私の有名中学合格でエリート願望一直線に目が眩むことさえなければ、(「見返してやれ」が当時の父の口癖でした)物堅い一職人として、もっとあたりまえの社会のありように目を開かせてくれたはずでした。


ともあれ、失敗した過去はもういい。警備員となって4年8ヶ月。ドーミーイン後楽園の全工期を抜いて自己最長を更新したこの現場は、私にとっての現時点での集大成となりました。ここでの経験が、いつかより高次な思索→詩作に昇華して、当ブログで公開できたら幸せだな、と思います。