四時歩武和讃(しじほぶわさん)

〜立ち直りから精神復興へ。一警備員の手記と詩篇~

≪時間を縦に、生き急ぐ≫

長い失意の歳月から、社会復帰して3年3ヶ月。


4年前のちょうど今ごろ、生活困窮者自立支援制度に自ら飛び込んで一切合切を面談で打ち明け、恥をしのんで支援対象者となりました。


以来、浦島太郎状態から一歩一歩前進し、恥をかいては体で覚え、やがて交通誘導警備の仕事一本で生活自立(貯金も)できるようになりました。


この4月には再び韓国一人旅をし、昨年の済州島漢拏山に続いて今度はソウル郊外の岩山・北漢山(白雲台)にも登頂しました。


雨と霧で視界のない直立した岩場は滑りやすく非常に危険でしたが、日本での長い登山経験を活かしてなんとか食らいつき、バタバタ吹きすさぶ太極旗の下に独り辿り着いたときには思わず目頭が熱くなりました。


……もう何十年も世間的には出遅れてしまった悔恨の思い。相手にされない知的探究とその寂寥感。でもなお腐らず志をもって登攀すれば、いつか絶頂にそうしたシンボリックな旗がひるがえるかもしれない。時間を縦に生きた者だけが達し得る高みに。


折しも改元を期に、国内外のジャーナリズムや党派的識者の攻撃的な言いたい放題が見るも無残に古びています。他方で世間一般の、エンタメの名を借りたあまりにも程度の低いバカふざけや娯楽太りの全能感も、あのバブル期同様、そろそろ時代の徒花として消費し尽くされ、くっだらねぇな、と厭きられていくでしょう。そうなった時、顧みて初めて真価を認められる、そんな緊張感に満ちた詩作や思索を当ブログで遺していけたら、と常々思っています。