四時歩武和讃(しじほぶわさん)

〜立ち直りから精神復興へ。一警備員の手記と詩篇~

≪非常時隊長、試練に直面①≫

建築現場の警備は、予想外のことだらけです。


搬入搬出の予定外は当たり前として、作業前の朝礼で周知徹底された事項が、ゲートで配置に着くや否や無線で真逆に覆されることも日常茶飯事。私はこれを『朝礼後改』と呼んでいますが、この洒落に気づく人はいまだ現れないようです。


それはともかく、大型ショッピングモール建設という総合的なプロジェクトだけに、警備・誘導の隊長には、工期の初めから、玉掛・大型・フォークリフト免許等ももつ熟達した資格者が当たっています。


ところが、この隊長が、先月現場で躓いて足首を痛め、診察のため続けて休みました。その間私が陣頭指揮をとりましたが、こうした代理隊長の役目は他現場でもたびたびやったので、さほど『想定外』ではありません。


その怪我の程度が幸い軽めで、足をひきずることもなくなって印象も薄れかけていたところ、今度は当日朝になって、現場で突然隊長の休みを聞かされました、それも会社からの連絡ではなく、早出の隊員から…。親の病気が悪化したため病院へ連れていく、これまでにも2回あった事例でした。朝一で搬入の多い忙しい日でしたが、本社から急遽内勤者が駆けつけ、役割分担もうまくいき、その日は問題なくしのぎます。


問題は、そのあとでした。

(通勤途中のため、続きは後日)