四時歩武和讃(しじほぶわさん)

〜立ち直りから精神復興へ。一警備員の手記と詩篇~

≪生活再建…私の進言≫

8月最後の仕事も酷暑でした。埼玉県内のマンホール調査に伴う片側交互通行です。正午ごろひときわ暑くなり、何やら異常だなと思っていたら、午後いちいきなり雷鳴とゲリラ豪雨が炸裂。即刻作業中止となり車で駅まで送ってもらうというあっけない終わり方でした。


結局8月の出勤日数は14日。熱中症によるダウンとお盆休みで、自分としては、2年前の登山事故による丸1ヶ月の休養を除けば最も少ない日数となりました。


たしかに、毎月この程度だと、アパート一人暮らしの身では生活費だけでほぼ上積みは望めないでしょう。しかし、半年前のブログを見ればわかるとおり、常駐の職長で工事も追い込みともなれば、土日返上で現場に出ざるを得ないわけで、多い月・少ない月を平均すればだいたいコンスタントにそれなりの収入は得ているほうだと思います。2年7ヶ月前に警備員となって最初の給与が振り込まれる日の朝、残高が5000円しかなかった状況からはまさに隔世の感があります。


いまもし就労による社会復帰を切に願いながら、長期のブランクを苦にしてあともう一歩踏み出しかねている人がいるとしたら、焦らなくてイイよ、様子見でいこう、などと呑気なことは絶対に言いません。人手不足で景気もそこそこのいまを逃したら、もう完全にアウトだよ、とマジで直言したい。


都内や近郊のコンビニの店員をあらゆる人種の外国人が席巻していることは周知の通りです。建設現場の職人も外国人が増え、できる者は実力本位でリーダーにさえなって当然とみなされます。介護職も大勢の研修生を受け容れています。つまり、言葉や慣習の違いを乗り越えてまで働く気概のあるパワフルな若い人々と、挫折に打ちひしがれて就労自体に助けを必要とする非力な者たちとの真剣勝負なのです。後者のひとりだった私は、現場での2年半で実状を見て鍛えられ、文弱な元引きこもりとしての怯懦な部分を思いきり矯め直すことができました。


リーマンショックや、かつてのバブル崩壊アジア通貨危機のように、経済指標が危うくなれば、もう再雇用どころではなくなってしまいます。全く不向きな仕事ならともかく、多少ぞんざいな扱いを受けても続けられそうな職場だったら、就労アドバイザーと連絡を取りながらひとまずやってみて、手持ちのお金をまず5桁、そして試用期間中に6桁へと乗せることを目安に立ち直ってくれたらと思います。私もそうでしたが、過去はいつまでも恥ずかしいけれど、仕事に慣れてくるとそんなことは後景に退いて、新たに覚えることのほうがずっと大切だとわかってくるものです。